2015第1学期『青木邦容の基礎→標準現代文』第8講井筒俊彦「意味の構造」要約&復習問題

【要約】

常識的には言葉と物の関係は、先ず物が有り、それらに別々の名前がレッテルとして付けられているというように直接的なものであるとされているが、実はそこには無限に複雑な自然物を見、それらを秩序づけ、様々な目的に従ってそれらを評価する、人間精神の独特の視点によって、現実の世界が主体的に再構成されるというプロセスが介在している。その意味で語は現実の世界の言語的類別化であり、「概念」と呼ばれるものはその主体的視点が明確な形をとったものである。意味論は、このような視点が語というはっきりとした形をとったものを分析的に研究する。

 

【問5】

tableもロゴスも、抽象度の違いはあっても、その言葉を持つ社会に固有な独特の現実世界の言語的類別化である点では同じだから。

 

《別解》

物と言葉の間には直接的な結びつきはなく、全ての概念はその社会に固有な独特の精神態度の具体的な現れである点で同じだから。

 

《復習問題》

テキスト本文55~56行目「ごく普通の語でさえ、それに全くぴったりした語または句で訳すことは非常に難しい」とあるが、その理由を、本文中の語句を使って20字以上30字以内で説明せよ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

言語はそれぞれの社会に固有な独特の精神態度の表れであるから。