2014春期講習会『現代文』第4講池内 了「疑似科学入門」解答&解説

【解答プロセス】

1.問6のチェック➔「現代」というワード以外に、さしてヒントはとれない。

2.6段落あたりまでを「前半」と(仮に)意識し、そこまでの「処理」を行う。

3.段落毎に内容を押さえ、設問があれば、その段落を読み終わった時点でとりあえずアプローチ。

4.問2 空欄Ⅰ 「一文」で捉えると「であるからこそ~」から始まっているので「であるからこそ」の上、つまり理由を探る(=因果関係パターン)。すると「メディアの情報は正しいとは限らない➔しかし私たちはメディアからの情報に頼らざるを得ない」という内容が捉えられる。ここから空欄の中身を「推理」すると、「(メディア情報は正しくないかもしれないが、情報収集をメディアに頼るしかない我々はどうすれば良いか➔)メディアの言うことを「疑って」受け取らないといけない」という風に考えられる。選択肢を見ると・・・イが正解。

5.問3 コアを取ってみよう。「一文」で捉えると「そのためか」の「その」の内容が必要であることが分かる。しかも「そのため」は「因果関係」を表す。「その」は結局、「テレビの情報を、私たちが鵜呑みにしてしまう傾向にある」ということだ。そこから傍線部の理由を「推理」。傍線部は要は政治家がテレビを意識して政治活動を行うということが書いてある。なぜ、テレビを意識するのか➔皆がテレビからの情報を「鵜呑みにする」=信じる、信用するからだ。この「コア」を選択肢に探すとイしかない。

6.問2 空欄Ⅱ 「一文」で捉えると「その結果」とあるので、またまた「因果関係」から空欄に入る言葉を推理すれば良い。「その結果」の直前には、人々が自分から「真実」を求めようとせず、与えられた情報だけを信じて何も考えずに、物事を見かけだけで判断するようになるーというようなことが書いてある。一種の「思考停止」状態だ。その結果どうなるか?「推理」は簡単だ。何も考えず、見かけだけで判断する「人々」を騙すのだから、それは「簡単」だと言うことになる。答えはア。

7.前半が終了した。「中間チェック」として問6を見る。我々の「お任せ」体質が及ぼす「弊害」について述べてあった。したがってアは×である。本文に「テレビや新聞、そして今やインターネットから」とあるように「テレビや新聞➔インターネット」という情報を得る場の変遷は書かれているが、選択肢イのような「家庭➔学校」「地域➔インターネット社会」という変化は書かれていない。したがってこれもここで×。ウの判断はここではできない。エはどうか。即×である。「情報を比較」しないから「お任せ」なのである。オは5段落の内容。つまり前半の最後にあった。〇。

8.後半も前半と同じように「攻め」の姿勢を崩さない。問2 空欄Ⅲ 「一文」で捉えると「つまり」があり、前段落がヒントになることが分かる。しかも『「お任せ」がはびこると』どうなるかということが書かれた文であることは明らかなので、空欄をそれらから「推理」する。前段落に「家庭ですべき躾や日常生活~増えているようになのだ」(33行目)とあるように、親は家ですべき教育も学校「任せ」で、何でも押し付けてしまうということなので、空欄は「(自分の責任を)果たさずに」くらいの意味になる。これに合うのはウ。

9.問4 「一文」にすると「その一例」とあるので「その」を見ると「道徳的な価値観を~傾向もある」が目に入る。つまり、道徳的な価値観を学ぶのに、科学を使うと受け入れられやすいということなのだが、この点についての説明が47行目以降に書いてある。要するに道徳的意識を教えるのに「道徳」をそのまま使ってもなかなか子どもは受け入れないが、科学をその代行として使うと、子どもはその内容を信じたりするということだ。この「コア」を持つのはウしかない。イにした人も多いかもしれないが、良く見て欲しい。イだと道徳的内容や価値観を「科学的」に「説明する」という意味になってしまう。そもそも「水からの伝言」などは㊟を見れば分かるように道徳の科学的説明ではない。したがって、我々が選ぶべき選択肢は、「道徳的内容」を「科学的に説明する」というものではなく、例えば、子どもに道徳、つまり「善し悪し」を教える際に「昔話」や「諺」を使っても効果がないから、あたかも「科学」のようなお話を「代わりに」するという意味を持ったものである。繰り返すが、こういう内容を持つものはウしかない。

10.問5 空欄Ⅳ 傍線部+指示語の公式とS-Pを押さえる。もちろん「一文」にする。「横着」=Sの説明である。空欄を含むPの内容を求めて、直後の「このこと」以下を見る(傍線部+指示語)。「疑似科学が入り込む余地を大きくしている」とある。これはこれまでの内容でどういう意味になるか。簡単だ。今まで見てきたように「お任せ」体質だから疑似科学が入り込む余地を与えてしまのだ。お任せ意識が高いということはこれまでの内容からも分かるように「自分で考えることをしない」「見かけだけで判断」「当事者意識が希薄」ということを意味する。これをコアとするとアの「結果を考えなくなる」がOK。「科学とも縁遠くなる」は傍線部+指示語以下の「疑似科学が入り込む」を見れば分かる。イ~オは全て+イメージで表現されており、これらだと「代行技術」の発達の及ぼす「弊害」という、筆者の扱っているテーマを表現していないことになる。

11.いちおう最後に確認。問6のウ。人々の道徳心が向上するということは書かれていない。やはり×。したがって前半で確認したとおり、オが正解となる。

【解答】問1 Aウ Bオ (3点×2) 問2 Ⅰイ Ⅱア Ⅲウ (4点×3) 問3 イ(8点) 問4 ウ(8点)

     問5 ア(8点) 問6 オ(8点)

【コメント】今回の問題で35点以上取れていない人➔かなりヤバいので1学期から「青木の現代文」で毎週勉強のこと!!➔http://www.yozemi.ac.jp/les/1gakki/digitalcatalog.html デジタルカタログ「単科ゼミ」編参照のこと!!