【要約】
シドニーオリンピックを観て印象深かったのは、たとえそれが政治的な儀式であり、所詮は偽善を含むものであろうとも、たしかなにその偽善の質が変わったことを感じたことである。スポーツの強さを国力の表現とする時代は消え去ったのである。時代的には、国家が国威発揚を目指せば目指すほど、国家の意味が変質する逆説が働く時代になった。そもそもスポーツは、目的至上主義である国民国家の近代化精神とは反対に、手段を目的化する文化として無用の能力を伸ばすものである。にもかかわらず工業化などに象徴される国力の表現としてこれまでは錯覚されてきたが、それが終わった今、スポーツと国家ははじめて健全な関係を結びつつあるように見える。そこでは国家は神聖で宿命的な国家のイメージを表すものではない。
【問1】
ア 創設 イ 示唆 ウ 刻々 エ 重用 オ 安んじる
【問5】
スポーツを国力の表現と錯覚し、国威発揚のために愛国的な熱狂の対象としてきたこと。
《復習問題》テキスト本文68行目「開いても壊れない強靱さ」とあるが、これを文化について述べた箇所を11字で抜き出せ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。
《解答》
一国の文化が国際化する(11字) (本文4段落内)