2014第1学期『現代文読解』第2講山崎正和「日本文化と個人主義」復習問題&漢字解答

【問1】 ア野蛮 イ規定 ウ愉快 エ掲 オ折衝

【復習問題】 次の要約文を読んで、後の問に答えよ。㊟解答は最下段。

 □自らの生活様式だけが文化であり、それ以外は野蛮と考え、自らの生活様式を中外に施してもとらないとする文化観の古典的なかたちは近代以前から存在し、近代以後は、それは植民地への宣教や民族間の戦争を支える理論として使われた。この大国主義的文化観は、自らの文化を固有性を持ち、かつ普遍性を持つものとしているところに特徴があるが、これは明らかにその論理が矛盾している。これに対し、同じディレンマを逆の方向に解消しようとしたのが現代人類学の文化相対主義的な文化観だが、その根底にはあらゆる文化の特色を等し並みに認めるという考えがあり、これはこれで決定的な矛盾を含んでいる。というのも文化の自立性の根拠をどこに置くかが分からず、結局、文化の自立性を徹底的に純粋化し追究していけば、文化の自立性を認めるはずが、かえって文化の観念そのものを崩壊させてしまうことになるからである。つまり〈  X   〉わけである。とするならば、我々が文化の観念を認めるならば、どうしてもそれが一定の普遍性を目指すまとまりであり、他の文化に影響をあたえるような存在であることを、やはり認めなければならない。しかし、我々は、そうは考えつつも自文化の固有性の正当性を信じ、少なくとも他の文化からの影響を不愉快だとも感じている。その誰もが持つ自文化に対する素朴な感情は、無意識の拡張主義につながりやすい性質を持ち、自文化こそが正当であるが故に普遍性を持つという誇りに直結しているために、文化観のディレンマは深刻である。

 問1    傍線部「ディレンマ」を、以下の空欄に適切な表現を補う形で説明せよ。

 ここで言うディレンマとは、本当の文化は人類にとって本質的で( A )なものであるはずなので、そうした文化を持っていない国は、劣ったものであるという考えに潜む「( B )」のことである。なぜなら普遍的なものは全ての文化に存在するはずなので、そこに文化の「( C )」は存在しないはずであるからだ。

 問2    空欄Xに入る表現を次から選べ。

  1.個人の癖や生活習慣を文化と認めなければならないことになってしまう

 2. 文化の相対化は結局、文化の観念を否定することになってしまう

  3.文化の相対化が行き詰まり、結局は元の大国主義的文化観を認めてしまう

  4.文化を人工的で恣意的なまとまりとし、その存在を否定してしまうことになる

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

問1

A普遍的

B矛盾

C優劣

 

問2

2