2014春期講習会『現代文』第3講平川克美「経済成長という病-退化に生きる、我ら」復習問題

【復習問題】 次の要約文を読んで、後の問に答えよ。

 ビジネスの要諦が、モノやサービスを生産し、それを媒介することで貨幣と信用を交換することだと考えるならば、金融ビジネスは博打の世界と見分けが付かない。それは博打だからいけないとか非倫理的だと言いたいのではなく、問題は、そこに関わる個人や国家にそれがハイリスク・ハイリターンの世界であり、損失が出た場合にその責任を自己が負わなければならないという覚悟のようなものがなかったことにある。人間が利己的な欲望を持っている限り、金融ビジネスのような酷薄で野蛮なシステムはなくならず、また不必要だということもできない。しかし新自由主義、市場原理主義を信奉し、それを自由だとか正義だとかという風に読み替え、ひたすら経済成長こそ社会を発展させる原動力になるという擬制を信奉するのは問題である。やはりそこには[ X ]とも言うべき素人の価値観が必要である。その価値観は、お金が行使できるパワーは限定的であり、それを万能とすることは恥ずかしいという常識の上に作られるものであり、また自らが知悉している日常的でありふれた生活の中に価値観を見出し、その価値観は金融ビジネスの世界で跋扈する玄人の世界の価値観と等価であるということを知るところに生まれる。それは一つの[ Y ]でもあるのだが、そういう素人の哲学を言語化したものはほとんど見当たらない。

 

問1 空欄Xに当てはまる表現を次から選べ。

 ①規矩とか規範 ②新自由主義とか市場原理主義 ③博打が不健全で野蛮だ④恥辱の認識⑤自身の生活の困難

 

問2 空欄Yにあてはまる表現を次から選べ。

 ①明確な価値観 ②思想や哲学 ③素人の信奉 ④恥辱の認識 ⑤知悉

 

 

 

 

【解答】

問1 ①

問2 ②