《要約》
「日本は島国」という見方は、現在の国境をそのまま過去に投影したところに生まれる虚像に過ぎず、それは海の積極的な役割を顧みることがほとんどなかったことによるものだと考えられる。日本列島における人間の社会と歴史を、海に生きた人々から見直すことで、列島内部に存在した、様々な遍歴民の役割への追求に自ずと導かれもする。こうして「日本は島国」という俗説と表裏をなす「瑞穂国日本」という見方も、やはり偏った「通説」でしかないことが明らかになるのである。日本の社会には古くから、遍歴民の生活があり、それは定住的な農民とは異なるものであった。日本列島の諸地域を細かく結び付けて行くという点で、こうした遍歴民の役割は、日本の社会と文化に、無視しがたい意味を持っていたことは間違いない。
《問2》
a 妨げ イ路傍 ロ模倣 ハ無謀 ニ防御 ホ妨害
b 偏った イ過多 ロ形見 ハ変質 ニ返礼 ホ偏食
c 顧みられる イ過去 ロ顧問 ハ故意 ニ個別 ホ小手先
d 携わる イ形勢 ロ提携 ハ休憩 ニ傾向 ホ掲載
《問7》
日本に古くからある遍歴民の生活を無視し、水田稲作を日本の社会の基礎とする見方から、あたかも日本には定住的な農業民しかいなかったと見なすこと。