2015第2学期『現代文読解』第7講佐々木毅「学ぶとはどういうことか」要約&漢字解答&記述解答例&復習問題

【要約】

人間社会に巣食う不正や暴力、欲望の暴走、予測不可能な「不安定性」といったものに対する嘆きや悲しみ、やり切れなさが大思想のエネルギー源になった。同時にそうした空しさややり切れなさを生み出す人間的現実を作り出しているのも他ならぬ人間であり、人間はそうした現実に疑いを差し挟み、新しいことを試み、それを通して人間世界を「不安定」にし、それを作りかえることで文明を作り上げてきた。その文明では日々さまざまな問題が生じるが、そうした「不安定性」を安定させるために「学ぶ」ということが継続的になされなければならない。なぜなら、そうした問題に対する対処や解決は、常に具体的であると共に、暫定的だからだ。こうした「学ぶ」行為は、究極性も絶対性もなく、あるのは生命の働きに依拠した継続性である。それはつまり人間が、新たな可能性を切り拓いていく「中間的」存在、「より適切なもの」を「選択し続ける動物」であることを意味する。したがって絶対的・究極的境地には到達しえないが、少なくとも自由を有する存在として、「人間らしい」「人間的」という大切な様相がそこに見られる。

 

【問1】

ア自明 イ統御 ウ膨大(厖大) エかいり オごびゅう

 

【問5】

人間は新しい企てを始める能力を持つため、現実の様々な問題に対し、新しい工夫を試みて人間世界を作りかえていくことができる。(60字)

(別解)様々な問題に対して、人間は新しいことを選択し、企て、それらに具体的に対処することで、人間世界を作りかえていけると考える。(60字)

 

《復習問題》

テキスト本文1行目に「人間社会に巣食う不正や暴力、欲望の暴走、予測不可能な『不安定性』といったもの」という表現があるが、これを文中に登場するプラトンは、具体的にどのように説明しているか。その説明を含む一文を抜き出し、その最初と最後の5文字(句読点含む)を記せ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

プラトンは~場をとる。(24~28行目)