【要約】
社会学における人間の行動の見方には二つの方法があり、一つはM・ウェーバーの方法論に代表される見方だが、これによると人間の行動は、行為と呼ばれる、主体の意思決定の所産となる。もう一つはE・デュルケームの方法に代表されるもので、これによるとそれは、社会による決定の所産と見なされる。前者を個体主義的な視点、後者を総体主義的な視点と呼んだ場合、前者の想定している人間の行動は、その意思決定の過程を、個人の利害や理念に依拠する合理的なものとするが、後者のそれは、社会的・制度的な拘束の下にあることを明らかにするものである。
【問1】
ア 等価 イ 突飛 ウ 外在
【問4】
説明不可能な非合理的意思決定は視野の外におき、合理的に説明可能な、主体の自由な意思決定の所産としての行動のみを説明する。(60字)
《復習問題》
例文として挙げる次うのような内容は、本文で言うところの「総体主義的な視点」に関係するものか、あるいは「個体主義的な視点」に関するものなのか。どちらかを選べ。
(例文)人は、最近金銭上の損害をこうむったとか、家庭のもめごとに悩んでいたとか、いくらかの飲酒癖があったとかいうような噂にもとづいて、ある人間の自殺の原因を、その飲酒癖や家庭の悩みや経済的打撃などに帰してしまう。このような疑わしい情報を自殺の説明の根拠とすることはできない。
《解答》 総体主義的な視点