2014春期講習会『現代文』第2講清水良典「文学の未来」復習問題

【復習問題】次の文章は本文の『要約』である。テキストを参照しながら空欄に当てはまる言葉を以下の選択肢の中から選び、『要約』を完成させよ。㊟解答は最下段。

パーソナル・コンピュータとウェブ・ネットワークが完全に浸透することで、文学とサブカルチャーの( ① )は崩れた。コンピュータは音楽やゲームや漫画などのサブカルチャーを吸収したが、文学の主たる伝達ツールである書物は、膨張を続ける電脳空間の外部に取り残されるようになった。こうした書物文化の衰退の中で、新聞とも書物ともほとんど日常接触しない世代は、それでも文章活字メディアと付き合い続け、携帯電話のメール通信に象徴されるようなそうした「書くこと」によるコミュニケーションが( ② )に蔓延した結果、そこに新たなディスコミュニケーションを生み出しつつある。こうした電脳時代の断絶とディスコミュニケーションの「ゼロ」の地点から出発して自分の表現を創り上げる書き手が「新しい文学」を形作ることが予測されるが、そうした文学が近代の書物・雑誌文化に見られるような( ③ )をどれだけ継承するかは未知数である。それはケータイ小説の氾濫に見られるように、従来の「文学」概念で取り扱えない、「小説」様式の劣化した現象に既に見られるが、一方で現代文学の小説様式の破壊や変容という、それとは真逆の現象も起こっている。こうしてジャンルの区別を基礎に成り立っている近代文学の理念は、こうして決定的に変質しているが、伝統的な「小説」などのジャンル様式からは自由な、こうした( ④ )に浮遊するテキストを、「純文章」という呼び名で繋ぎとめたい。

 A 飽和的 B 文章形式 C 包括的 D 等価関係 E 過渡期 F ジャンル形式 G 相対関係 

H 啓蒙期

 

 

 

 

【解答】

①D

②A

③F

④E