2015第1学期第7回『Weeklyテスト演習(応用)②』岩井克人「未来世代への責任」要約と解説講義補足&復習問題

【要約】

 他者に対して責任ある行動をとること、という人間にとっての真の「倫理」を否定している点で、経済学者は現代における「悪魔」の一員だと言える。それが顕著なのは環境問題に対する考え方においてである。経済学者は、「資本主義が前提とする私的所有制こそ諸悪の根源」だとする多くの人の考え方を否定し、私的所有制の下での自己利益の追求こそが環境破壊を防止する制度だと言う。しかしこの論理は、未来と現在の二つの世代の間の利害の対立を解消することができないという根源的な欠点を持っている。未来世代に環境の所有権を与えた上で、現代世代が未来世代と合理的な取引を行うというのであれば、現在世代は環境破壊的な経済活動を自主的に抑えるようになるであろうが、未来世代が未だ存在しない、したがって自分の権利を自分で行使できない本質的に無力な他者である以上、未来世代と現在世代の取引は論理的に不可能である。これはつまり、経済学者の言うような私有財産制では、環境問題が解決しないことを意味する。したがって現在世代には、自己利益の追求を抑え、無力な他者の利益の実現に責任を持って行動することが要請されることになる。しかし、この「倫理」は同時に現在、地球上で最も枯渇した資源であり、したがってまたその「倫理」的行動の実現が困難であることを示した点で、経済学者としての「私」はやはり「悪魔」の一員であると言えるのである。

 

 

【問6】(解説補足とREVIEW)

POINT①まずマーク問題の「コア」(解答に必要な要素)を取るのと同じ要領で、記述解答の中心を盛り込んだ「ラフ」(下書き)を作成する。

今回は、最初の設問チェックによってある程度ポイントが分かっていたので、本文を読んでいる際に記述に使う材料が見つかっている→第2段落。

悪魔     ⇔   (正義)

経済学者  ⇔   倫理

という対立関係から、経済学者が「他者に対して責任ある行動をとること=倫理(=正義)」を否定する立場二あることがわかる。

したがってラフは-

(ラフ)他者に対して責任ある行動をとるという、人間の「倫理」的正義を否定するから。(37字)

という感じになる。しかし字数不足だ!その時は本日解説した「アレ」を使う!

《青木方式》

『記述のツボ』(字数が不足したら)理由説明問題は、「直接理由」の他に①間接理由(「直接理由」の『理由』)②傍線部の内容説明③「直接理由」の内容説明―を適宜プラス!!

(参考)「直接理由」とは?「間接理由」とは?

たとえば「彼が学校を休んだ理由」を求められて、その答えが「風邪を引いたから」だったとします。

この「風邪を引いたから」が、学校を休んだ「直接理由」です。

 

もしそれで説明不足というなら、次に「間接理由」をプラスします。

「間接理由」とは、「直接理由」の「理由」のことです。

この場合なら、「なぜ風邪を引いたのか」、その理由に当たるものをプラスすれば良いのです。

仮にそれが「裸のまま寝てしまったから」ならば、それが「間接理由」に当たります。

 

これらを合成するとー

〇彼は、裸のまま寝てしまい、風邪を引いてしまったから。

となりますね。

 

さらに、もしこれでも字数不足に陥る、あるいは「間接理由」が本文に見当たらないなら、先ほどの『記述のツボ』に書いたように、さらに「裸で寝てしまった理由」を付け足すか、あるいは「傍線部」の内容説明を付け加えます。

 

今回の傍線部が「彼が学校を休んだ」というものなら、これを説明したものを先の理由に付け足せば良い。

たとえばー

〇彼は、裸のまま寝てしまい、風邪を引いて学校にいくことが出来なくなってしまったから。

 となります(二重傍線部に注目。ここが傍線部「学校を休んだ」の言い換え=内容説明です)。

 

これでもダメなら(あるいは以上に述べた材料が本文に見つからない、あるいは作れない場合は)、『記述のツボ』の③を使って「直接理由」の説明を付け加えます。

 

今回の場合なら「風邪を引いた」ことを説明したものを付け加えるのです。

 

たとえばー

 〇彼は、裸のまま寝てしまい、風邪を引いて熱が高く、また咳もひどく、学校にいくことが出来なくなってしまったから。

 となります(二重傍線部の部分が、「風邪を引いた」という直接理由の内容説明になっていることに注目して下さい)。

 

このように解答の字数を増やそうと思えばいくらでも増やせます。

 しかし「変な材料」を本文から抜き出して「適当」に付け加えると、元の答えを台無しにしかねません。

『記述のツボ』を意識して、少しずつアレンジしていくのがコツです。料理の味付けと同じです(笑)

味が足らないからといって調味料ドバドバドバぁ~はNGなのです。

 

では、先ほどのラフを以上の『記述のツボ』で「料理」してみる。

(ラフ) 他者に対して責任ある行動をとるという、人間の「倫理」的正義を否定するから。

本文に「間接理由」があれば、それをプラスする。

なぜ、「(経済学者は)他者に対して責任ある行動をとるという、人間の『倫理』的正義を否定する」(ラフ)のか?

それは講義でも解説したように、経済学者が「自己利益の追求こそが社会全体の利益を増進する」と考えているからだ。(6~7行目)

これを「間接理由」として「ラフ」にプラスする-

自己利益の追求こそが社会全体の利益を増進すると考え、他者に対して責任ある行動をとるという、人間の「倫理」的正義を否定するから。(63字)

Wow!!まだ足りない!!それでは引き続き《青木方式》を使って、もう少し字数を調整する。

『記述のツボ』(字数が不足したら)理由説明問題は、「直接理由」の他に①間接理由(「直接理由」の『理由』)②傍線部の内容説明③「直接理由」の内容説明―を適宜プラス!!

この③を使う。③は「もう少し(だけ)」伸ばしたい時に、便利だ。

③から本文で何度も繰り返していた経済学者の考え方の本質「自己利益の追求」を詳しく説明することにする。なぜなら3段落に良い長さのフレーズがあるからだ。オタクの法則恐るべし。

4行目に「自分の安全と利得だけを意図している」とあるが、この「自分の安全と利得」は、「自己利益の追求」中の「自己利益」の具体的な中身だろう。したがってこれで「自己利益」を詳しく説明する。すると全体として-

自己の安全と利得をはじめとする、自己利益の追求こそが社会全体の利益を増進すると考え、他者に対して責任ある行動をとるという、人間の「倫理」的正義を否定するから。(78字)

となり完成します。

記述は魔法のように「パッ!!」と解答が出ません!!問題集とかに載っている「綺麗な解答」を眺めているだけでは記述力は伸びません。上記に示したような「法則」に基づいて「組み立てる」練習を何度も繰り返すことが大切です。

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《復習問題1ーどちらかというと私立向け》

本文48行目空欄Fには「倫理的」が入り、この箇所は「倫理的な存在となることが要請されている」という内容を含む文が完成するが、これはどういうことかを説明したひとつながりの語句を本文から10字以内で抜き出せ。(㊟解答は最下段にあるのでスクロールして確認のこと。)

 

《復習問題2ーどちらかというと国公立向け》

本文49行目「私は『悪魔』の一員として失格した」と言いながら、52~53行目「私も立派に『悪魔』としての役割を果たした」とあるが、これはどういうことか。120字程度で説明せよ。(㊟解答は最下段にあるのでスクロールして確認のこと。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答1》

未来世代の権利を代行しなければならない (45~46行目) (補足)「倫理的な存在となることが要請されている」の「要請されている」が、「未来世代の権利を代行しなければならない 」の「代行しなければならない」に対応している点に着目!

 

《解答2》

経済学者の論理が追放した「倫理」を環境問題の解決に必要であるとした点では「悪魔」一員として失格だが、同時にその「倫理」が地球上で枯渇しており、環境問題の解決が、結局は「倫理」によっては不可能であることを暗示した点で「悪魔」的であるということ。 (121字)

 

2015第1学期先取り学習『現代文基本マスター』第4講唐須教光「日常的な記号世界」要約&復習問題

【要約】

人間は、他の動物と異なり〈本能〉の導きを失ったゆえに、文化という装置を創り出すことで世界に再び秩序を取り戻してきた。この装置により人間は世界を解釈できるようになるのであるが、その解釈が有効なのは、ひとえにその装置が社会制度として集団の成員に承認されているからである。〈文化〉は〈自然〉と対立する概念ではあるが、こうした制度の枠内で人間が行動する点では、〈文化〉は〈本能〉に代わる第二の自然として人間の行動を束縛するものだと言える。その象徴が言語という文化であり、それを通してしかわれわれは現実を認識できないのであり、それは自然という混沌とした連続世界を、言語という文化装置によって不連続なものに分節することによる。したがって言語という記号体系が異なれば、構成される現実も変わってくるのである。

 

 

《復習問題》

本文18行目第二の自然としての文化が、「人間の行動を規制してくる」とはどういうことか。40字以内で説明せよ(㊟解答例は最下段。スクロールして確認すること)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答例》

かつて〈本能〉に従うしかなかったように、文化の枠内でしか行動できないということ。(40字)

2015第1学期『現代文読解』第5講夏目漱石「永日商品」ストーリーOUTLINE&漢字解答&記述解答例

【ストーリーOUTLINE】

亡き妻の三回忌も近いのに、日々の暮らしで精一杯な大刀老人は、墓をたててやることもできないことを気にするが、かといって薄給の息子を当てにすることもできず、とうとう先祖伝来の懸物を売ることを決心する。この懸物に別段の思い入れも無い息子は憎らしいほど簡単に、懸物を売り払うことに賛成する。しかしいざ売ろうと懸物を持って出かけたものの、大刀老人が払うほどの敬意をもって高い評価をしてくれる道具屋もなく、また息子の課長の友達という人の所へも持ち込んだが、その目利きの無さに怒って老人は懸物を持ち帰ってしまう。ところが、三回忌もあと一月後という頃、偶然の伝手からある好事家の手に渡ることになり、老人は立派な石碑をつくれたばかりか、余りの金を郵便局に貯金することもできた。月に一、二度は出して眺めていた懸物だから、売り払った後も気になって、もう一度見せてもらいに行ったところ、大事にされていることがわかり、老人は安心し、うれしく思うのだった。

 

【問1】1 工面 2 融通 3 ろくしょう 4 らっかん 5 透き

 

【問8】(解答例)先祖伝来の大切な一幅が心配だったが、大切に壁に懸けてあるのを見て安心した。

(別解)好事家が懸物に尊敬を払うかのように大切に壁に懸けていたので安心(安堵)した。

2015第1学期先取り学習『センター現代文』第6講鷲田清一「身ぶりの消失」要約&漢字解答&復習問題

【要約】

木造の民家を改修せずに高齢者用のグループホームとして使う施設では、人体の運動に合わせた抽象的な空間にあるのとは異なり、からだの動きが、空間との関係で、ということは同じくそこにいる他のひとびととの関係で、ある形に整えられている。身体は、まわりの空間への手がかりがあって、他の身体との丁々発止のやりとりも初めて可能になるという点で、こうした空間には「中身」がある。建築家の青木淳は、行為と行為をつなぐものそれ自体をデザインするような、まるで原っぱのような建築、つまりたまたま居合わせた子どもたちの行為の糸がたがいに絡まり合い、縒りあわされるなかで、空間の「中身」が形を持ちはじめるような建築を志すが、これはホワイトキューブのような無規定のただのハコという意味ではない。それは「使用規則」をキャンセルされた物質の塊が別の行為への手がかりとして再生する、「自由」を感じる空間でなければならない。一方で木造家屋を再利用したグループホームは、こうした「使用規則」はキャンセルされておらず、一見「自由」は限定されているようだが、そこで開始されようとしているのは、からだとものや空間との相互浸透関係による、別のひととの別の暮らしである。そしてその手がかりは空間に充満している。本来、住宅は「暮らし」の空間であり、そこで複数の異なる行為がいわば同時並行に行われることで、その空間を濃くしていたが、現代の住宅は用途別に切り分けられ、その結果ふるまいも切り分けられてしまい、空間の密度が下がってしまった。つまり「暮らし」あるいは「中身」を失った。しかしかつての木造家屋は、そこでいろんなことができるという可塑性を持ち、そこでは身体は、空間やもの、あるいはひととの関係で、そのふるまいを整える、もしくは身体のふるまいに気をやる機会がひとに与えられる。グループホームはそういう知恵を引き継ごうとしているのではないか。

 

【問1】

ア 挙措 ①準拠 ②去就 ③特許 ④虚実 ⑤暴挙

イ 塊  ①氷解 ②奇怪 ③皆目 ④団塊 ⑤懐古

ウ 更地 ①晴耕雨読 ②更迭 ③恒久的 ④厚遇 ⑤強硬

エ 充満 ①銃口 ②柔軟 ③追従 ④拡充 ⑤縦横 

オ 家計簿 ①原簿 ②規模 ③思慕 ④応募 ⑤墓碑銘

 

【復習問題】

本文101行目「からだを眠らせない」とはどういう意味か。次の①~⑤の中から最も適当なものを選べ(㊟解答は最下段なのでスクロールして確認のこと)。

①複数の異なる行為を同時並行におこなうことが強いられるために、身体を休める場面が欠落しているということ。

②からだが、空間やもの、あるいはひととの関係でひとりでにふるまいを開始し、またふるまい自体に気をやるなど行為をつないでいくこと。

③まわりの空間への手がかりが豊富なせいで、他の身体との丁々発止が頻発し、他のひととの関係がぎくしゃくすること。

④空間の「使用規則」や「行動基準」がキャンセルされていない分、自由のために身体が空間を編み直そうとすること。

⑤空間の可塑性は、そのなかにある身体に複数の行為を行わせ、身体を多型的に動き回らせることで高齢者に休みを与えないということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

2015第1学期『センター現代文』第5講丸山圭三郎「言葉と無意識」要約&漢字解答&復習問題

【要約】

貨幣と言葉は、両者共に〈価値〉の基盤と言えるが、言葉の方はそう言われても必ずしもピンとこない。なぜなら言葉は貨幣のような直接的な効用を持たないからであるが、言葉がなければ価値判断といった思考ができない点で、やはり価値をつくり出す基であると言える。また各時代・各地域によって異なる言語共同体の価値観は、それぞれの持つ言語が作り出すものである。こうした貨幣と言葉の類似点を掘り下げていくと、文化の本質と言うべき二つの特徴が現れてくる。それはいずれの価値も〈関係〉から成り立っているということであり、またその〈関係〉は予めある“もの”と“もの”とがいかなる関係を取り結ぶかという形成的関係ではなく、「〈物〉を生み出す関係」、つまり存立的関係であるという点である。貨幣や言葉はともすれば予め存在する〈物〉の記号や代用品と思われがちだが、実際には、貨幣や言葉はそもそも存在していなかった諸価値を創り出す存在である。

 

【問1】

ア 好悪 ①考慮 ②絶好 ③交流 ④動向 ⑤肯定

イ 性向 ①成果 ②性能 ③修正 ④精密 ⑤盛況

ウ 想起 ①気流 ②暗記 ③企業 ④任期 ⑤起源

エ 確固 ①弧  ②孤立 ③利己的 ④固辞 ⑤別個

オ 互換 ①換気 ②間隔 ③敏感 ④完結 ⑤傍観

 

【復習問題】

結局、本文で筆者が明らかにしようとした「文化の本質」(2行目)とはどのようなものか。次の①~⑤中からその説明として適当なものを選べ。

①文化と文化の関わりこそが文化の本質であり、他の文化との関わりを持たない場合は、その文化の価値は結局生み出されないままになる。

②文化の価値に絶対的なものはなく、他の文化との関わりや自国内の文化現象同士の関係などによって、その都度価値は流動的に変化する。

③価値観が文化や時代によって異なることから、文化の価値は国や時代毎に異なり、一見他より絶対的に勝れているような文化も、それほどでもない。

④文化は、混沌とした世の中に対して人間が言葉を持って主体的に関わった結果生み出されたものであり、その価値は自明ものと言える。

⑤人間とって文化とは、言語や貨幣に代表されるように、人間が創り出したある種の基準によって形成されているものであり、その価値は普遍性を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

 ②

2015第1学期『青木邦容の基礎→標準現代文』第4講中西新太郎「文化的支配に抵抗する」要約&復習問題

【要約】

テレビによって生み出された大衆文化は、「お互いに無視しあう自由」を楯に、「言論・表現の自由」という理念で自らを正当化しながら情報を一方的に流すことを行ってきた。本来は弱者が強者に抵抗するときに使用する「戦術」であるこうした業は、今や大量生産、大量消費という形を介して権威的な存在をへと変貌している大衆文化を生み出すマス・メディアが、現代社会の権力と権威秩序の一端を担う位置へと変化している以上、そうした業を駆使することは、逆に相対的弱者である私たちに権力を振るうことになり、私たちの文化的「自由」を制約することになる。また「お互いに無視してよい自由」の中で、なおかつ自らの言論に影響力を持たせるには、発言の主体である「自己」の影響力を強めるのが一番有効な方法である。「自己」に何らかの説得力をもたせることで迂回的にその言説の影響力を強める話法を、「自己語り」の形式とした上で考えれば、それに巧みであることは、語られること自体の説得力や衝撃力と並んで、もう一つの影響力を持つことになる。こうした一人の人間の感じ方にすぎないという出発点が、いつのまにか逆転し、多くの人間の共感を呼ぶようになることも、マス・メディアの中で急速に一般化してきている。

 

《復習問題1》

テキスト本文5行目から6行目「枕詞を用意しておいて語り出すのが現代の大衆文化に行き渡った話法なのである」とあるが、「現代の大衆文化に行き渡った話法」とは、どのような話法か。最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ(㊟解答は最下段にあるのでスクロールの上、確認すること)。

①自らが相手よりも卑小な存在であるために、相手から強い影響を受けたり他と同化したりすることを何よりも恐れて、自説に固執する話法。

②自らがもともと卑小な存在であるので相手からの反発や挑発には抗しきれないことを自覚し、説得を諦めたような投げやりな話法。

③自らが社会的に卑小な存在であるがゆえに相手の心を自分の方に引き付けようとして、強い調子で信念を持って相手に語りかける話法。

④自らが何よりも卑小な存在であるのに相手の心を全く理解しようとせず、しかも自分らしさが受け入れられねばならないとする話法。

⑤自らが誰よりも卑小な存在であるかのように相手にわざと見せながら、実は相手の考えや立場などを無視して自説を述べる話法。

 

《復習問題2》

本文40~42行目「大衆文化が・・・相手がもっていない権力をふるうことになりはしないか」とあるが、ここでいう「権力をふるうこと」とは具体的にはどのようなことか。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

①大衆文化が、大量生産のかたちを取ること。

②大衆文化が、開き直りを「戦術」として用いること。

③大衆文化が、「体臭」文化になって臭いこと。

④大衆文化が、情報を一方的に流すこと。

⑤大衆文化が、言論・表現の自由という理念を持ち出すこと。

⑥大衆文化が、「高級-低級」という文化秩序を崩すこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答1》

《解答2》

2015第1学期『現代文読解』第4講高橋由典「社会学講義」要約&漢字解答&記述解答例&復習問題

【要約】

社会学における人間の行動の見方には二つの方法があり、一つはM・ウェーバーの方法論に代表される見方だが、これによると人間の行動は、行為と呼ばれる、主体の意思決定の所産となる。もう一つはE・デュルケームの方法に代表されるもので、これによるとそれは、社会による決定の所産と見なされる。前者を個体主義的な視点、後者を総体主義的な視点と呼んだ場合、前者の想定している人間の行動は、その意思決定の過程を、個人の利害や理念に依拠する合理的なものとするが、後者のそれは、社会的・制度的な拘束の下にあることを明らかにするものである。

 

【問1】

ア 等価 イ 突飛 ウ 外在

 

【問4】

説明不可能な非合理的意思決定は視野の外におき、合理的に説明可能な、主体の自由な意思決定の所産としての行動のみを説明する。(60字)

 

《復習問題》

例文として挙げる次うのような内容は、本文で言うところの「総体主義的な視点」に関係するものか、あるいは「個体主義的な視点」に関するものなのか。どちらかを選べ。

 

(例文)人は、最近金銭上の損害をこうむったとか、家庭のもめごとに悩んでいたとか、いくらかの飲酒癖があったとかいうような噂にもとづいて、ある人間の自殺の原因を、その飲酒癖や家庭の悩みや経済的打撃などに帰してしまう。このような疑わしい情報を自殺の説明の根拠とすることはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》 総体主義的な視点

 

 

2015第1学期『現代文基本マスター』第3講河合隼雄「こころの処方箋」要約&復習問題

【要約】

日本人は自分の心の中にあるヴィジョンを過小評価する傾向が強すぎるように思われる。細かい事実の発明や発見、というよりは改良に心を奪われるあまり、心の中に描くヴィジョンの価値を自覚していない場合が多いのだ。我々は時に衝動的に何かが欲しくて、他人から見れば馬鹿げたように見える努力を払い続ける時があるが、そうした衝動的な行動を支える原動力として、自分の心の中にある「絵に描いた餅」のようなヴィジョンの方が、手に入れたい現実のものよりも高価な意味を持っていることに気付くこともある。こうした「絵に描いた餅」の鑑賞力を磨くことが、現実とヴィジョンの混同による失敗を少なくするためにも、これからますます必要である。

 

《復習問題》

本文30行目「餅の絵姿をいろいろな様相で見せてくれる」とあるが、これは例えばどういう意味のことを言っているのか。次の中からその説明として最も適当なものを選べ(㊟解答は最下段にあるのでスクロールして確認のこと)。

 

①現実の存在が、自分の心の中にあるイメージによってゆがめられ、客観的には何も変わっていないのに、主観的には様々に変容していっているように思い込んでしまうこと。

②現実の存在と自分の心の中のイメージを埋めようとして、現実の存在に対して色々な妄想を抱くようになり、徐々に現実の存在を正しく認識できなくなるということ。

③現実の存在よりも自分の心の中にある理想的なイメージを優先させて、その存在を見るせいで、現実の存在がとてもつまらない存在に見えてしまうということ。

④現実の存在が、自分の心の中の様々イメージと合致するものを僅かでも持っていれば、その存在が自分の心の中にある様々な理想を全て満たしていると思ってしまうということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》④

2015第1学期『現代文読解』第3講小林秀雄「読書の工夫」要約&漢字解答&記述解答例&復習問題&文学史(オマケ)

【要約】

自分を忘れ、小説中の人物となり、小説中の生活を自らやっているように錯覚する楽しみに身をゆだねることは、小説中の一番普通の魅力であり、かつ根本の魅力である。したがって普通の読者はこの魅力以上の魅力を小説から求めようとはしないが、この読み方は、小説の濫読によって自分を失い、他人を装う術が知らず知らずに身に付いてくる危険性を伴う。実際、小説に毒されて他人を装う術がすっかり身についてしまい、本当と嘘との区別がつかなくなってしまっているような文学好きが存在し、こういう類いの人間は、小説を読んでいれば実地に何でもやっている気になれるので、実地に何もやらなくなる。このような中毒を起こすのは、小説を、自分を失う一緒の刺激のようなものとしてしか受け取っていないからだ。小説だけではなく思想の書物も同じだが、読書もまた実人生の経験と同じく真実な経験である点で、絶えず書物というものに読者の心は目覚めて対していなければならない。小説で言えば、読書もまた小説を読む事で、自分の力で作家のつくるところに協力するような態度が必要であり、この協力感の自覚こそ、読書の本当の楽しみと言える。思想の本で言えば、自分の身に照らして書いてある思想を理解しようと努めるべきだということである。小説も思想の本も、他人を装う術を覚えるような読書の仕方は避けるべきである。

 

【問1】

1根本 イ根源(元) ロ根底 ハ根拠 ニ根絶 ホ混雑

2 本能 イ才能 ロ効能 ハ全能 ニ頭脳 ホ技能

3 切断 イ断片 ロ段落 ハ断水 ニ断面 ホ断定

4 省みる イ猛省 ロ反省 ハ抑制 ニ自省 ホ内省

5空  イ空手形 ロ空元気 ハ漢心(漢意) ニ空車 ホ空堀

 

 【問3】

自分の身に照らして小説を読むことで得る、作家への協力感の自覚が生み出す楽しみ。 (39字)

 

【参考- 問7】「小林秀雄-文学史」暗記法

(覚え方)『➀私は ②無常な ③ひでぇ ④衣裳、 ⑤金 ⑥品、 ⑦本 もない ⑧生活。 ⑼儲けは ⑩「×」で、⑪人生 ⑫ゴーホーム!!』

➀「私小説論」 ②「無常といふ事」 ③小林秀雄 ④「様々なる意匠」 ⑤「近代絵画」 ⑥「考えるヒント」 ⑦「本居宣長」 ⑧「ドストエフスキイの生活」 ⑨「モオツアルト」 ⑩「Xへの手紙」 ⑪「私の人生論」 ⑫「ゴッホの手紙」

 

《復習問題》

本文30行目「読書もまた実人生の経験と同じく真実な経験である」とあるが、これはどういうことか。その説明として最も適当なものを次の①~⑤の中から選べ。(㊟解答は最下段)

①普通の人は、読書によって自分を失い、他人を装う錯覚に陥るが、いくらそのような状態になっても現実世界からは逃れられないということ。

②筆者が、読書を「自分を失う一種の刺激のようなもの」と表現しているように、読書は刺激的で、本当は自分を見失うものではないということ。

③読書と言えど、自分が実地に書いてあることを自分の身に照らして楽しんだり理解したりする点で、その他の現実の経験と本質は変わらないということ。

④読書は、「こちらが頭を空にしていれば、向こうでそれを満たしてくれるというもの」ではなく、自分で頭を知識で満たす努力が必要な行為であるということ。

⑤読者は人生の中での一つの経験である以上、本の内容も全くのフィクションではなく、自分の人生を自覚的に生きるのと同じくらいのリアリティを持つということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】③

2015第1学期『現代文基本マスター』第2講広中俊雄「法と裁判」要約&漢字解答&記述解答例&復習問題

【要約】

裁判では、客観的な事実の発見と、客観的な存在である法の適用によって、「客観性のある結論」を導き出すことが、裁判官に期待されているが、現実には、裁判官も人間である故に「自分自身以外の眼でみることはできない」ことが問題になる。裁判官のなす事実の決定は、彼の前で証言する証人たちと同様に、機械的な行為ではなく、記憶の誤りや想像による事実の再構成などから逃れられない。これは刑事事件に関する限り、基本的人権の保障に関わる一問題であり、無実の者が誤判のために命を奪われてしまうような可能性が、日本をはじめ、死刑制度を持つ国々で残されている以上、客観的な事実の発見ということが貫徹され、裁判官がそれに自己の生命を掛けるだけの覚悟を持つことを要求し得るような、そして無実の者が処罰されることのないような制度を目指して、可能な限りのことをなすべきである。

 

【問1】

①訴訟 ②しんぴょう ③まぬか(まぬが) ④誇張 ⑤貫徹

⑥要請

 

【問7】(解答例)

裁判官に客観的事実の発見に自己の生命を掛ける覚悟を要請できるような、無実の者が処罰されることのない制度をめざすべきだ。 (59字)

 

《復習問題》

本文75行目「制度の問題として可能なかぎりのことをなすべきであろう」とあるが、こと「死刑」に関して筆者は、裁判官に「自己の生命を掛けるだけの覚悟をもつべきであろう」と述べるが、ここから筆者が死刑制度についてどのような考え方を持つと考えられるか。次の中から適当なものを一つ選べ(㊟解答は最下段ースクロールして下さい)。

①客観的な事実の発見ということに裁判官が自己の生命を掛けるだけの覚悟がある場合のみ、死刑を被告人に言い渡しても良い。

②裁判官は記憶の誤りや想像による事件の再構成から逃れられない以上、死刑制度自体を無くす形で、無実の者が処罰されることを避けるしかない。

③無実の者が誤判のために生命を奪われることは避けなければならないが、それを恐れるあまりに処罰の確実性を犠牲にするのは良くない。

④裁判官は、本来、客観的な事実の発見に責任と覚悟を持つべき存在であるので、被告人に対して確実な形で死刑を宣告できるよう努力すべきである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》②

 

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