2015第2学期『青木邦容の基礎→標準現代文』第7講熊田孝恒「マジックにだまされるのはなぜか」要約&文学史暗記法&復習問題

【要約】

マジックは、マジシャンと観客の間のコミュニケーションによって成立するが、そこにおける重要な人間の特性は、人間が他者の心を理解し予測することである。人間は成長するにしたがって、他者の感情や意図を理解する機能としての「心の理論」を身につけていく。この心の理論を駆使してマジシャンは観客の心の状態を想像し誘導しようとするが、観客も同じくそれに引っ掛からないようにする、という高度な駆け引きを必要とするエンターティンメントがマジックである。しかしながら観客は、そこで完璧にだまされることを楽しむというきわめて特殊な心理状態を経験する。観客がだまされることを楽しむ人間のメカニズムは分かっていないが、そのヒントは脳の活動にある。基本的にはマジックを見た時に起こる脳の活動は、動作が物理的な制約には反していないが、期待とは反した行動を見た時の脳の活動と類似している。これらの脳部位は、既存の知識から導かれる期待に反するようなことを経験した時に活動する。ここから脳は、生体にとって予想に反する出来事を、より的確に検知した方が生存に有利であるため、それを見つけることを楽しく感じるようにプログラムされている可能性があると考えられる。その点で、マジックを始めとするエンターティンメントの楽しみの根源が人間の生存にかかわるメカニズムに関連するかもしれないという仮説は、興味深い。

 

【問8 参考資料ー文学史暗記法】

芥川龍之介(前期作品)

◯(暗記法)

龍の 鼻 毛は ぶっとく チ ラ ホラ、 彼の いもうと ハンカチ トス 

①龍の 芥川龍之介 ②鼻 「鼻」 ③毛は 「戯作三昧(げさくざんまい)」 ④ぶっとく 「舞踏会」

⑤チ 「地獄変」 ⑥ラ 「羅生門」 ⑦ホラ 「奉教人の死(ほうきょうにんのし)」 ⑧彼の 「枯野抄(かれのしょう)」 ⑨いもうと 「芋粥(いもがゆ)」 ⑩ハンカチ 「手巾」 ⑪トス 「杜子春(とししゅん)」

芥川龍之介(後期作品)

◯(暗記法)

龍は 藪 玄さん 信 州 カッパは アロハ

①龍は 芥川龍之介 ②藪 「藪の中」 ③玄さん 「玄鶴山房(げんかくさんぼう)」 ④信 「蜃気楼(しんきろう)」⑤州 「侏儒の言葉(しゅじゅのことば)」 ⑥カッパ 「河童」 ⑦アロ 「或る阿呆の一生」 ⑧ハ 「歯車」

 

《復習問題》

テキスト本文19行目「行動から意図を正確に推定すること」とあるが、そうするためには具体的にどのような能力が必要か。本文から25字以内で抜き出せ(句読点含む)。(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

相手の心で起きることを、自分のなかで模擬する能力(24字) (24~25行目)