2015第2学期『現代文読解』第2講増田正造「能の表現」要約&文学史解答&漢字解答&復習問題

【要約】

世阿弥は、花は散るからこそ美しいのだという視点に立ち、あるいはさらに積極的に散らすことによって花の新鮮さを際立たせ、花の新たな生命を持とうという考えに立つ。世阿弥の一世代先輩に当たる兼好は、うつろう無常の実相の中に美を感じ取るという自然観照に徹したが、世阿弥はさらに、花は散るからこそ、再び時節が巡ってきて咲く花が珍しく、新鮮に感じられるとし、また同じように能もひとつの表現にばかりとらわれぬ、停滞をこばむ態度こそ、魅力の出発点だと考えた。そしてそれは花に比喩される理論として、散ることをふまえた文化の精髄をなすものであり、観客の要求する花を、すぐさま舞台に咲かせてみせるには、幅広いレパートリーと演技の変化を必要とすると説く。そうした技法は、移り気な観客を常に新鮮な感動でつなぎとめる、芸の実力と観客の共感を結ぶための触媒の作用にほかならない。その意味で「真の花」を身につけた演者とは、花を咲かせると同時に、自由に花を散らすことのできる演者でなくてはならなかった。

 

【問5】

イ新井白石 ロ本居宣長 ニ心敬 ホ藤原定家

【問10】

ア 立脚点 イ 詠嘆 ウ 実相 エ遺訓 オ 停滞

 

《復習問題》

テキスト本文24行目「心で見る態度」を言い換えることのできる箇所を、本文から5字以内で抜き出せ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

自然観照