2015第2学期『現代文基本マスター』〈本題〉6 山竹伸二『「本当の自分」の現象学』要約&復習問題

【要約】

人間が自己価値を求める欲望を有し、複数の分裂した欲望を抱えた存在である以上、自己了解によってある欲望に気付かされ、それが「本当の自分」の欲望であるかのように見えても、それに反する欲望に気付かされた途端、どちらが「本当の自分」の欲望であるのか混乱してしまう。しかし、そもそも「本当の自分」とは、事後的に想定された自己像であり、客観的に存在することはない。したがってそれに執着することは、かえって自己了解によって得られるはずの、自らの意志で行為を選び取るという自由の意識を喪失することになる。ハイデガーは人間のあり方の本質契機として「情状性」「了解」「語り」という三つを取り出した。これは人間が気分を了解しつつ可能性をめがけるような存在であることを示しているが、まさに人間は、その都度の気分を了解することで、自分の欲望や不安に気付かされる存在なのである。そしてそれは、人間が単に自己を知ることが出来るというだけでなく、それによって自らの可能性が開示され、その可能性をめがけて生きる存在であるということも示している。

 

《復習問題》

テキスト本文64行目「人間は、その都度の気分を了解する」とあるが、筆者によれば、人間は「その都度の気分を了解する」ことで、どういうことを得るというのか。次の文の空欄に当てはまる表現を、四字以内で本文から抜き出せ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

◯自らの[   ]に気付かされ、行為を選び取ることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

可能性