2015第1学期『現代文基本マスター』第8講黒井千次「老いの時間の密度」要約&漢字解答&復習問題

【要約】

近年は畳の上で死ねる人が少なくなったが、そのことの他に、苦しみを見つめる苦しみの方に強い関心を覚える。重い病人を入院させるのは当然の行為であり、これを非難する謂われは全く無いが、そこには自分が苦しみを見詰める直接の責任者の立場から半歩退くことが出来た、という悲しい安心感が蠢いている。それが畳の上で死ねなくなったという事態に、どこかで繋がっているような気がしてならない。延いては世の中全体が、苦しみを少しでも弱める方向に動いているような気もする。それに対する正当な努力が、苦しみを直視し、苦しみに向き合う力を、いつか人間から奪い去る傾向を助長しつつある。

 

【問1】

(a)奇妙 (b)往診 (c)波紋 (d)経緯 (e)助長

 

《復習問題》

79行目「人は苦しみの消滅に出会う」とあるが、筆者の論旨によれば、それはわれわれにどのような事態をもたらすと考えられるか。それを最も端的に述べた表現を、本文から30字で抜き出せ(㊟解答は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》

苦しみを直視し、苦しみに向き合う力を、いつか人間から奪い去る(30字)《15段落内》