2015第1学期『現代文基本マスター』第3講河合隼雄「こころの処方箋」要約&復習問題

【要約】

日本人は自分の心の中にあるヴィジョンを過小評価する傾向が強すぎるように思われる。細かい事実の発明や発見、というよりは改良に心を奪われるあまり、心の中に描くヴィジョンの価値を自覚していない場合が多いのだ。我々は時に衝動的に何かが欲しくて、他人から見れば馬鹿げたように見える努力を払い続ける時があるが、そうした衝動的な行動を支える原動力として、自分の心の中にある「絵に描いた餅」のようなヴィジョンの方が、手に入れたい現実のものよりも高価な意味を持っていることに気付くこともある。こうした「絵に描いた餅」の鑑賞力を磨くことが、現実とヴィジョンの混同による失敗を少なくするためにも、これからますます必要である。

 

《復習問題》

本文30行目「餅の絵姿をいろいろな様相で見せてくれる」とあるが、これは例えばどういう意味のことを言っているのか。次の中からその説明として最も適当なものを選べ(㊟解答は最下段にあるのでスクロールして確認のこと)。

 

①現実の存在が、自分の心の中にあるイメージによってゆがめられ、客観的には何も変わっていないのに、主観的には様々に変容していっているように思い込んでしまうこと。

②現実の存在と自分の心の中のイメージを埋めようとして、現実の存在に対して色々な妄想を抱くようになり、徐々に現実の存在を正しく認識できなくなるということ。

③現実の存在よりも自分の心の中にある理想的なイメージを優先させて、その存在を見るせいで、現実の存在がとてもつまらない存在に見えてしまうということ。

④現実の存在が、自分の心の中の様々イメージと合致するものを僅かでも持っていれば、その存在が自分の心の中にある様々な理想を全て満たしていると思ってしまうということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答》④