2015夏期『青木邦容のハイレベル現代文』第4講金子郁容「ボランティア もうひとつの情報社会」要約&補充問題

【要約】

ボランティアの報酬とは、自分だけでなく誰か他の人の力によって与えられた、自分にとって「価値がある」と思えるもののことである。つまりボランティアの報酬は、それを価値ありと判断するのは自分だという意味で「閉じて」いるが、それが相手から与えられたものだという意味で「開いて」いる。その意味でボランティアの「報酬」は、「見つける」ものであると同時に「与えられる」ものであり、それが「成立」するには、ボランティアの力と相手の力が出会う必要性がある。ボランティアの「不思議な関係」の秘密は、こうした出会いの中で助けるつもりが助けられたと感じ、与えているつもりが与えられたと感じる、こうした「つながり」にある。またボランティアは、自分が始めたネットワークのプロセスを誰かが尊重し、呼応してくれることで、はじめてその人とつながりがつけられるという点で、「つながりのプロセス」における「相手」は、通常のビジネスにおける取引関係や友人関係とは異なり、はじめから決まった特定の人ではない。その意味でもボランティアの関係性は不思議なものである。まただからこそ、ボランティアは、行動の過程で次々と予期しない、色々な人と関わることになり、そのプロセスが世界規模で展開する可能性も秘めている。

 

《復習問題》

テキスト本文83行目で「世界キボのネットワークがつながることになる」とあるが、ボランティアの行動はどうして「世界キボのネットワークにつながる」可能性を持つのか。本文の趣旨に沿って100字以内で説明せよ(㊟解答例は最下段。スクロールして確認のこと)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《解答例》

 ボランティアは、通常のビジネス関係や友人関係と異なり、決められたことを決められた相手とするのではなく、行動をする過程で、予期しない、色々な人と関わっていく「つながりのプロセス」を目指しているから。