2014/2015冬期直前講習会『青木邦容の現代文頻出テーマ解法総チェック』田中克彦「ことばとは何か 言語という冒険」配点と要約

【配点&正解】☆サテライン講座で配点を言うのを忘れました<(_ _)>申し訳ないです(;゜ロ゜)ちなみに合格点は50点満点中35点です。

《問1》

Ⅰエ Ⅱイ Ⅲア (各2点)

《問2》

a ア b エ c ウ d イ (各2点)

《問3》

オ (5点)

《問4》

イ (5点)

《問5》

ウ (7点)

《問6》

ア (5点)

《問7》

イ ウ (各7点)

 

【本文のポイントと要約】

まず本文の《ポイント》が、【青木方式⑩】で抽出できたかどうか確認してみよう!!

《ポイント①》(13行目)言語は、それを話す人間なしには自立した存在としてはあり得ない点である。

《ポイント②》(24~26行目)しかし言語の場合は、そこにそれを話す人間がいなければ生まれもせず、存在もしなかったことは明らかだ。そして、言語を話す人間には、そこに複数の話し手からなる言語の共同体があるというのが前提条件である。

《ポイント③》(29~31行目)すでに述べたように、そもそもそれは、言語の存在の場であり、言語を支える場であり、それなくしては言語を研究することさえできないのである。

《ポイント④》(54~56行目)方言や民族語が堂々たる風貌をもって現れるためには、それを母語とする言語共同体が、国家あるいはそれに準ずる政治体として昇格することが前提であって、そのためには、これらの言語は「文章語」になっていなければならない。

(補足)民族語が「国語」(という言語)にランクアップするには、やはり言語共同体自身も国家あるいはそれに準ずる政治体にランクアップしないといけない=言語と言語共同体はワンセット!さらに「文章語」を持つというのは、単なるコミュニケーションの言葉=母語ではなく、国を形作るために必要な言語であり、これがあるということは言語が他言語とは異なる「客体」として扱われていることであり、またそのようなものがあるからこそ独自の教育などが行われる。

☆(ポイント①~④をまとめると・・・)言語は、それを話す人間とその共同体を必要とし、またその言語が国語あるいは準国語であるためには、その共同体も国家や準国家に昇格することが必要とされる。

《ポイント④》(14~15行目)言語学は、言語それじたいを、まるで自立したものであるかのような存在として扱ってきた。まるで話す人間などいなくても、存在したかのように。」

《ポイント⑤》(31~33行目)ひとたび、そこから言語をとり出してしまえば、あとは用のない、むしろ言語そのものの研究にはじゃまものとして捨て去られ、視野からとり除かれる」

☆(ポイント④⑤をまとめると・・・)言語学は、言語それじたいを自立した存在として、それを話す人間とその共同体を視野から外した。

《ポイント⑥》(39~41行目)十九世紀ヨーロッパ~国語を創出した。

《ポイント⑦》(44~46行目)これらの言語はもちろん、十九世紀になって忽然と現れたのではなく、それにさかのぼる数世紀を通じて育てられていたものが、それぞれの民族・政治状況によって、一挙に躍り出たのである。

《ポイント⑧》この、「言語の増大」は、もっと正確に言えば、かくれていた方言や民族語が、堂々と世界に知られ、尊重される「国語」あるいはそれに準ずる「準国語」として姿を現わしたということにほかならない。

☆(ポイント⑥~⑧をまとめると・・・)十九世紀から二十世紀にかけてヨーロッパでは、民族独立が相次ぎ、それに伴ってそれぞれの国が、母語に基づく国語あるいは準国出するという「言語の増大」が起こった。

 

☆各ポイントのまとめをさらにひとつに【まとめる】=【要約】

言語は、それを話す人間の意識や言語共同体なくしては存在しない。しかし言語学はそれらを視野から外し、言語じたいを自立したものとして扱った。ところが近代の民族独立に際して母語が国語となる状況が生じたことで、言語学も言語共同体を考えに入れなくてはならなくなった。それは、方言や民族語が「国語」や「準国語」になるには、それらを母語とする言語共同体の国家やそれに準ずる政治体への昇格が前提だったからである。