2014第2学期『現代文読解』第3講熊倉 千之「日本人の表現力と個性」要約&記述解答例&復習問題

【要約】

『広辞苑』と『ウエブスター』には、既に「視点」とその訳語である“point of view”の「視点」のずれを感じるが、前者が「ものを見る立場。観点」を重視しないのに比べて、後者は、その「立場」に重点を置いた定義になっており、その点で日英語の「視点」の用例が「視点が定まらぬ」と「全知視点」になっているのは、奇しくも洋の東西の視点の本質を言い当てている。明治以来、日本人は西欧の「目のつけどころ」を熱心に取り込んできたが、そもそも「ものを見る立場。観点」が曖昧な日本人が、そのような「目のつけどころ」(西欧的なアイデア)を自分のものにできると考えたのは性急であった。しかしそれは日本文化が劣っているというわけでは無い。例えばそれは、大和言葉に制約されたものの見方が、遠近法の言葉を持つ西洋のそれと異なっているだけである。日本語や、それが反映した日本絵画は、西洋のそれらと異なり、現実と等価の表現を志向していない。

 

 

【問5】

西欧の価値観が必ずしも日本文化に当てはまるとは限らないから。

(別解)西欧の価値基準が、日本を評価できる普遍的なものではないから。

 

【問6】

対象に自己の感情を投影せずに、対象を客観的に捉えようとする、ものを見る立場。

 

 

【復習問題】テキスト61行目「外界のものを外界のものとして表出する絵画の言葉」が制約する物の見方(立場)を端的に説明した箇所を、20字以内で抜き出せ(括弧なども一字と数える)。(㊟解答は最下段)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

「平行線が一点に交わる点」を見る立場(22~23行目)