2014第1学期『現代文読解』第7講(問題番号は6)原研哉「シンプルはいつ生まれたのか」問7 漢字解答&記述解答と別解&復習問題&要約

【問1】

問1 ア探求 イ長ける ウ需要 エ逸話 オ魅惑

 

【要約】

□中国の青銅器は、その端緒から複雑な形をなし、精緻な文様でその表面が覆われていた。簡素から複雑へと向かうはずの人間の造形に反して、最初から複雑さを目的として探究されたのには訳があった。複雑さは集団の結束力を維持するための強い求心力の表象であった。青銅器は畏敬の対象となる力の表象であったのだ。ヨーロッパでも事情は同じであった。絶対君主の力が最も強かった時代は、バロックやロココといった装飾をとめどなく横溢させる様式が絶頂を極めていた。世界が「力」によって統治され、「力」がせめぎあって世界の流動性を作っていた時代には、文化を象徴する人工物は力の表象として示されていたことが分かる。しかし近代社会の到来と共に、世界が、人間が幸福に生きる権利を基礎とする社会へと舵を切ったことに合わせて、物は力の表象である必要が無くなった。物と機能との関係の最短距離が志向される合理主義的思考の時代である。19世紀以降たしかにここが複雑からシンプルへの変換点だという現象は見当たらない。しかし、モダニズムとは、ものが複雑からシンプルへと脱皮するプロセスそのものであり、その中でシンプルという価値観が人々に新たな理性の灯りを灯し始めたのは19世紀中葉であろう。世界は今もシンプルという中軸をたずさえて、この瞬間も動き続けている。

 

【問5】

(最も書きやすい解答)集団の結束力を維持する求心力を示すのに、見る者に畏怖を与える必要があったから。(39)

(別解・許容解)

〇集団の結束力を維持する畏敬の対象となるよう、眼に訴える形で求心力を顕現するため。(38)

〇精緻と丹精を可能にする強大な力を顕現させて、威圧と畏怖を見る者に与えるため。(38)

 

【復習問題1】

本文では「簡素」という意味を持つ言葉として「プリミティブ(原初的)」と「シンプル」という二つの表現が登場するが、筆者の主張から考えると、この二つの言葉の違いはどういう点にあるか。40字以内で表現せよ。(解答は最下段)

【復習問題2】

以下のカタカナ部分を漢字に直せ。

➀哲学を勉強して真理をタンキュウする。

②警部は事件の真相をタンキュウされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

【復習問題1】

シンプルは、簡素なだけのプリミティブと異なり、新たな理性を人間にもたらした。(38)

【復習問題2】

➀探究

②探求