2014年夏期講習会「青木邦容の現代文」第1講土屋賢二『猫とロボットとモーツァルト』要約&復習問題

【要約】

 科学の変化とは異なり、芸術の場合のそれは未完成のしるしではなく、必然的なものである。芸術の場合、伝統や歴史の中で先行のものを基盤として、それを変形することで作品は成立する。その変化はまた、服装などの流行とは異なり、不可逆的である。したがって、芸術は、その先行するものから離れては制作も鑑賞もできない。ということは、すぐれた芸術が時代を越えて万人の胸を打つということや、「芸術は人間の純粋な感性に訴える」という考え方は成立しないことになる。制作も鑑賞も、何が先行するもので、どのように変形されているかということに対する理解なくしては成立しない。しかしそのような理解には教育や訓練が必要であり、またそれは専門家の条件の多くを含む複合的なものでなければならない。芸術を解するロボットの備えるべき条件は、この点で専門家の条件の多くと一致する。しかしそのような歴史性、社会性を備え、変形の能力と理解力を持ったロボットの実現は困難である。

 

【復習問題】

本文7行目「パラダイム・チェンジ」の説明に当たるものを次の選択肢の①~⑤の中から選べ。(㊟解答は最下段)

 ①    物質が燃焼するのはフロギストンと呼ばれる燃素という物質の放出の過程であると考えられていたが、金属を燃やすと質料が増すため、燃素は負の質料をもつものと考えられた。

②    虹は、古代中国では天界に棲む龍の類だと考えられていたが、科学の発達により、太陽の光が、空気中の水滴によって屈折、反射されるときに水滴がプリズムの役割をし、複数色の帯に見えることが分かった。

③    惑星の位置予測がずれるなど天動説では説明できない事柄が出てきたので、太陽を宇宙の中心におき、そのまわりを地球をはじめとした惑星が回転していると考える地動説が登場した。 

④    18世紀、摩擦された物体が帯電することは知られていたが、電気が物体を通じて伝わることは知られていなかったが、一連の実験により、電気が伝播することを突き止めた。

⑤    重力による落下速度はその物体の質量の大きさに依らないということを証明するために、ピサの斜塔から大小二つの鉛の玉を同時に落とし、両方の玉が同時に地面に落下することを確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】③

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