2014年夏期講習会「上智大現代文」第3講要約&復習問題

【要約】

私たちは母語を話すときに文法規則を意識しないが、バイリンガルは運用する二つの言語について、同じ状態の人のことである。バイリンガルはその結果、「言語の文法規則を体系的に学ぶ」機会を持てずに、どちらの言語に対しても「母語の自然で規範的なかたちである」という自信が持てない。母語運用能力というのが、「次にどういう語が続くか(自分でも)わからないのだけれども、そのセンテンスが最終的にはある秩序のうちに収斂することについてなぜか確信させられている」という心的過程を伴った言語活動のことだとすれば、この状態は想像以上に重い。同じく、外国語を学ぶ際に私たちは、「ストックフレーズ丸暗記」から入り、それを適切なタイミングで再生し、相手が自分の言いたいことをできるだけ早い段階で察知できるコミュニケーションを目指すが、それは言語を通じて自分の思考や感情を造形していくという言語の生成プロセスに身を投じるという、母語のコミュニケーションが理想とするものとは違う。

 

 

 【復習問題】本文25行目「思考を適切に表現できるヴィークルとして性能がよい」とはどういうことか。次の中から最も適切なものを一つ選べ。

a 言語を通じて自分の思考や感情を、適切に表現できるということ。

b 自分の言いたいことを、効率良く相手に伝えられるということ。

c ある言葉を発すると、矢継ぎ早に次の言葉が思考を乗せて発せられること。

d 自分の思考が、言葉という仮の形を取って相手に伝わっていくこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】b