2014夏期講習会「センター現代文」第1講狩野敏次「住居空間の心身論」要約&漢字解答

【要約】

明るい空間の中では、私たちは視覚を優先させることで空間との間の距離を感じるが、闇の中では、視覚にかわって、明るい空間では抑制されていた身体感覚が活発化し、私たちの身体は空間と溶け合うようにある共通の雰囲気に参与し、闇の持つ「深さ」の次元を身体全体で体験する。近代建築は、明るい空間の実現を目指し、この深さの次元を失った。その結果、互いに異なる意味や価値を帯びた「場所性」が空間から排除され、空間のあらゆる場所は人工的に均質化されることになった。こうした空間は全てが距離に還元されてしまうために、深さがなく、空間のひろがりだけがそこにある。西洋では、深さはこうした純粋に空間的な意味しかもっていないが、日本では、それに時間的な長さが加わり、それを「奥」ということばであらわす。奥は漠然とあるなにものかを暗示することばであり、空間的にも時間的にも到達しがたい最終的な場所、時間を指し、さらに深遠ではかりがたいという心理的意味を有する。その意味で目的へ向かうプロセスの演出によって私たちの心の中に生じる心理的な距離感覚であり、時間感覚である点で、人間の身体感覚に深く関わる概念である。

 

 

【問1】

㋐装置 ①捜索隊 ②騒動 ③壮健 ④服装 ⑤地層

㋑拍車 ①迫力  ②薄情 ③拍手 ④博識 ⑤白状

㋒排除 ①排出  ②排斥 ③腐敗 ④背信 ⑤祝杯

㋓踏み ①舞踏会 ②検討 ③殺到 ④凍結 ⑤盗難

㋔要素 ①祖先  ②租税 ③素朴 ④疎遠 ⑤訴訟