2014冬期『青木邦容のハイレベル現代文』第1講河合隼雄「昔話の深層」要約&復習問題

【要約】

昔話が発生してきた心理的基盤は、人間の内的真実に求められる。ユングは、それを人間の無意識の深層には人類に共通の普遍性が有り、そこにある元型によるものだと仮定した。つまり、ある個人が何かの元型的な経験をしたとき、その経験をできるかぎり直接的に伝えようとしてできた話が昔話の始まりであるというのである。それが、多くの人に受け入れられ語り継がれるのは、それが内的普遍性を持つからとも考える。こうしたユングの説は、時代や文化の差を超えて、類似のテーマや内容を持つ昔話が存在していることを説明するものであるが、大切なのは、同じ元型的表象であっても、その時代や文化の影響を受けて、それぞれの特徴を有していることである。もちろん昔話に対する接近方法は、こうした心理的な面だけではなく、その他の接近方法もあろうが、それらは相補的な意味を持つにしても、互いを排除するものではないであろう。

 

 

【復習問題】9行目傍線部イに「一皮むけば」という表現があるが、これは本文中で言うとどういうことか。50字以内で説明せよ(㊟解答は最下段)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答例】

心理相談室に訪れる人の夢や夢想に見られる、現代の時代や文化の影響を受けている面を除けば、ということ。