2013/2014冬期Ⅱ期『青木邦容の現代文頻出テーマ解法総チェック』「質問が出た箇所」についてまとめておきましたコーナー

㊟以下、講習期間中に質問があった箇所である。同じ箇所を「わかりにくい」と感じていた人は参考にして欲しい。

合格目指して、最後までやり抜こう!!今までやったテキストの【反復×反復】が君を救う!!

【冬だ!青木だ!①】

問3 14段落内、空欄あの前後でこの空欄を考えるのが難しければ【青木方式⑱】に従い、後回しにした上で75行目~79行目の内容に注目すれば良い。

 例えば75行目「どうしても~同じことになる」は内容的に62行目「本当に困った~構造にある」と対応している。その点に気付けばあに「相互性の倫理」が入ることが分かるであろう。

 

問4 倫理でベンサムやミルを勉強した人は、ここに「功利的」を選んだかもしれない。「最大多数の最大幸福」、つまり社会全体の幸福を最大にし、それをもってして多くの人の幸福を実現するという考え方が、15段落の内容に合うという発想は合っている。しかし、空欄いの前後を見ると、後ろに「なおかつ全体の利益に結びつくような決定方式」とある。もし、「功利主義」の説く「最大多数の最大幸福」の意味で空欄に「功利的」が入るならば後ろの「全体の利益に結びつく」は不要のはずである。なぜなら「功利主義」は、たしかに全体の利益を優先するために一部の少数者を切り捨てる可能性を孕んでいるが、今述べたように、その内容に既に「全体の利益」を優先するという思想が込められているからだ。したがって空欄に「功利的」がその意味で入れば「全体の利益を優先し、かつ全体の利益に結びつくような」となり、意味が二重に重なってしまう。やはり「民主主義的」の方が良い。

 

【冬だ!青木だ!②】

問3-2 【青木方式㉑】で考えた場合、この波線部までの内容がヒントになることは分かる。そこで注目して欲しいのは「見立て」という言葉である。つまり波線部は「見立て」の説明を求めているわけで、「見立て」が「意味」を発生させていると言っている。そこで設問に目を遣ると「他のものになぞらえること」という説明があり、これは本文における「見立て」の説明の一つであることがわかるが、要はそれ以外に「見立て」を説明した箇所を指摘せよと言っているのだ。すると先ほどヒントだと言った直前に『この命名の操作を「見立て」といえば』という表現が見つかる。そこで「この」の指す「命名の操作」の説明をまとめれば良いということになる。解答に入れるべきポイントは「擬人化」である。

 

【冬だ!青木だ!⑦】

問3 この設問ではDと答えた人が多かった。27行目に「四つの命題相互の関係をも明示する」と書いてあるからだろうが、もう少し良く検討して欲しかった。【青木方式㉑】で「別の言葉で言えば」に注目し、前を見るのは良いが、【青木方式㉓】でS-Pに注目し、S「個別の四つの命題を総合する最後の文は」をヒントにして、これが26行目「この文は」と同じなことに気付いて欲しかったわけである。そこには先ほどの「四つの命題相互の関係をも明示する」があるが、これはその上に「第二に」とあるように、「この文」の二番目の特徴を表したに過ぎない。要は「東京で生まれて育った私は、米屋で買う米を、ほとんど毎日食べる」という「この文」は、「私は東京で生まれて育った」「私は米を米屋で買う」「私は米をほとんど毎日食べる」という三つの細部=修飾語を、骨格の文「私は米を食べる」にある「私」「米」「食べる」という被修飾語=細部にそれぞれ関係づけることで(全体が)できあがっていると述べている訳である。したがって「全体と部分の関係を明示する」つまり「全体を形作るために細部が適切に結びついている」ということになり、これで「構造化」している、つまりひとつつの意味を持つまとまりのある文ができあがっているということになるわけである。

 

【冬だ!青木だ!⑧】

問1 空欄補充で間違いが多かったのは意外にもaだった。【青木方式㉕】で因果関係に注目し、空欄aの下、『引き受けた「ので」』に注目し、それに続く「女性が~逸してきた」と、20行目の「フェミニストたちは~押しつけられてきたせいで~進出は妨害されてきた」との類似性に着目できれば、「押しつけられてきた」から「専一的」が正解だと分かるのだが、「一心」を選んだ生徒が結構いた。恐らく「一身」と間違えていたのではないだろうか。「一身」なら「自分の身に全て」という意味になって、とりあえず文脈に合うのだが、選択肢は「一心」であって「専念して、心を集中して」の意味であるからここでは間違いである。

 bに関しては「何となく」正解した人が多かったみたいだが、27~29行目が【青木方式⑫】から「まとめ」だと分かるので、それ以前に根拠を探せば良い。「僕が言いたいのは~ということです」までは、要は「相互扶助・相互支援を排除すべきではない」ということなので、その根拠を探すと16~17行目に「相互扶助・相互支援のシステムが働かなくてもこの先も大丈夫かどうか、それはわかりません」とあるのに着目できる。なぜなら「わかりません」とある以上、これから「相互扶助・相互支援のシステム」を「完全に無くす」ことはやはりできないということを筆者は述べていることになるからだ。したがって空欄bには「完全に」と同じような意味を表せる「根本的」が入る。